AAA TOP

プレイ日記より その1『挑発』

「弱者は弱者らしくしてるんだな。」
覚醒していく意識の端っこで、嫌な声が聞こえた。一緒に聞こえてきた剣戟の音が洞窟に反響している。
現在戦闘中、を思い出して素早く体勢を整える。自分はボロボロだ。状況を見れば、クリフは倒れたまま。敵はアルベルに集中している。こちらには気付いていないらしい。
ひとまず回復の術を使うべく詠唱を始めたところで、アルベルがなにやらクリフのほうに放った。同時にクリフが身じろぎする。
「ヒーリング!」
目標はクリフだった。彼の動きにキレが戻る。・・・しかし、その声で敵に気付かれたらしい。敵がこちらを振り向いた。
邪魔されるかもしれない・・・そう思いつつも、ここで術を使わないわけには行かない。このまま戦列に加わっても、返り討ちにされるのが関の山だ。
「どうした、それが本気なのか?!」
また嫌な声が響く。しかし、それに反応してこちらを向いた敵がまたアルベルに向っていく。
逃げるでもなく複数を相手にしてアルベルのほうはボロボロだった。・・・それでも、敵を挑発する言葉をかけ続ける。
・・・破滅志向の強い奴だと思ってたけど、何を考えて・・・
「近寄るんじゃねえ、阿呆が伝染る!」
嫌な声。それと同時に詠唱が終わる。と同時に、閃いた。
「阿呆はアンタだよ!ヒーリングっ!」
対象はアルベル。
「死ぬ気かい!?」
時間稼ぎならもう少しやりようがあるだろうに、なんでああいう真似をするのか。おかげで助かったのだから文句をいう筋合いはないのだが。
敵との間合いを少しつめ、父の形見の短剣を投げつける。短剣が戻ってくると同時に炸裂したクリフのフラッシュチャリオットのおかげで、一瞬目がくらんだ。
と、目がくらんだ方向から何かが軽く頭に当たった。・・・ブルーベリー。
とんできた方向にいるのはアルベルだ。ブルーベリーを口に放り込み、再度戦列に加わる。先ほどの連撃で敵の数は減っている。そんな中。
「・・・・・助かった。」
ぼそっと聞こえてきて、耳を疑った。
「・・・・・アンタでも礼なんていえたんだね。」
「・・・・・フン。」
刃が肉を切り裂く音が響いた。散々苦戦させられた敵に贈る最後の一撃。
「・・・・強い奴が生き弱い奴が死ぬ。それが弱肉強食ってやつだ。」
倒れた敵を見下ろし、はき捨てるように言ったその言葉。
それは、以前ほど嫌な声には聞こえなくなっていた。・・・以前ほどは。


6/16のプレイ日記より。ええと、アルベルが挑発覚えて、よし、遊ぶぞ!!て思ったんだけど・・・9割くらい実話。場所は確かバール山脈辺だったはず。
結局挑発で遊んでる暇なかったのでした。なんだかんだで切迫して使うことばかりの挑発。だって本気でやんないと死ぬってば・・・!
ちなみに、「助かる」とアルベルさんが発言した瞬間、思い切り耳を疑ったのは私です。え、お礼とか言えたの!?みたいな感じで・・・。
next
AAA TOP