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水辺の物語 陽

「涼浬〜、今回一緒に探索行かないか?」
「はい、わかりました・・・」
というわけで、涼浬ちゃんと龍斗君は水辺まで出かけていきました。
あたりを見回すと、何やら大き目の亀が転がっています。
涼浬ちゃんは、そのまま気にせずに通り過ぎようとしました。
しかし、龍斗君はどうにも気になるようです。
「なあ・・・・これって、スッポンじゃないか?」
「え・・・?」
よくよく見ると、確かにそう見えなくもありません。
「・・・・食えるかな?」
すると、いままで動いてなかった亀が慌たかのように手足を動かし始めました。
「・・・スッポンでしたら。」
「うーん・・・・ま、もって帰ろう。今夜はスッポン鍋かもしれないぞ♪」
亀は必死に逃げようとしましたが、龍斗君にひょいと持ち上げられてしまいました。
じたばた暴れて、なんとか噛み付こうとしますが、やっぱりできません。
とうとう、亀はあきらめてクテン・・・となってしまいました。
目には大粒の涙がひとつ・・・(見えたような感じ)
そして、またじたばたと暴れようとします。
そんな亀の様子を見ているうちに、涼浬ちゃんは、なんだか亀がかわいそうになってきました。
「龍斗さん・・・きっと、この亀は煮ても焼いても食べられません。
 放してあげたほうが良いのではないでしょうか・・・?」
「・・・食えないかなあ・・・?」
「多分・・・それに、この亀も嫌がっているようですし・・・」
亀は、懸命に頷いています。
「今夜は、別のものにしましょう。何かお作りしますよ。」
亀の動きがびしいっっと固まりました。
「それも嬉しいな。よし・・・ほら、行けよ」
龍斗君は嬉々として亀をほいっと放しました。
亀は、そそくさと龍斗君から距離を取ると、こちらを振り返りました。
「それでは・・・」
涼浬ちゃんは、にっこりと亀に微笑みかけて踵を返しました。
すると、亀が涼浬ちゃんの草履をくいくいとひっぱりました。
「・・・?」
涼浬ちゃんが振り返ると、亀は甲羅の中からどうにかして紙を引っ張り出しました。
どうやら、もって行けといっているようです。
「ありがとう」
そう言って涼浬ちゃんは紙片を手にしました。
亀は満足そうに去っていきました。


紙は蓬莱符でした。
涼浬ちゃんは「助けた亀から蓬莱符」を手に入れました。



こんどは外法帖で。実は陰と対になってる・・・というより、陰メイン。これは前振りだったりします(笑)
以下、数年前の私のコメント。

別題『探索に行こう!』。
私、涼浬ちゃん大好きなんですよ

えと、これは日記の再録だったりするので、とても短いですし、内容もあって無きが如し
でも、『助けた亀から蓬莱符』というのは、やはりこういう感じなのかな〜と。
最初見たとき、「浦島太郎かい!!」と言いたくなったのは、・・・私だけかなあ?
ちなみにこれを、別の視点から見ると<陰>になります。
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