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街道での一コマ

*西ボース街道の黄色い魔獣は,なぜか男だけ攻撃してきます。*
*ちなみに弱点地属性。*
依頼の帰り。いきなり襲ってきた鳥魔獣との戦闘は、3人中約一名が戦闘不能になり、残り二人は一撃も喰らわず余裕で戦闘を終えたのだった。
旅の連れが戦闘不能になる事にも慣れが出てきた今日この頃。一応の反省と共に貴重なセラスの薬をヨシュアに飲ませ、どうにか3人で一息つく。
「それにしても・・・」
薬をかばんに仕舞い込みながらエステルが言った。
「さっきの魔獣、ヨシュアしか狙わなかったね。」
そう。先ほどの戦闘は、気の毒なヨシュアが戦闘不能になるまですべての攻撃を受けている間に他二人で殴るという、約一名に貧乏くじを引かせたような戦闘だったのだ。
「そうね。お陰で私達無傷で済んだんだけど。」
シェラザードも苦笑いしている。そしてもう一言付け加えた。
「驚いたわ、アンタって魔獣にまでモテるのね。おねーさんビックリよv」
「・・・・・・そういう問題じゃないと思うんですけど。」
岩に背を持たせかけて、集中攻撃をくらった当人はため息をついた。
「あはは♪ヨシュア、モテモテだもんねー。よっ、色男ー♪」
エステルがにこやかに笑いながらペシペシと肩をたたく。
ヨシュアの機嫌はさらに悪化した。
「あのねぇ・・・軽口たたいてる暇あるならティアかけてくれないかな・・・?」
こころなしか彼の周りを剣呑な雰囲気が包み・・・・眼ももちろん笑っていない。
「・・・(あら・・・、怒ってるわね)」
「・・・(うん、怖いね)」
剣呑な雰囲気に圧されて、こそこそと囁きあう女性組。
しかし、相手は地獄耳だった。
「な・ん・か・い・っ・た?」
表情だけは天使の微笑み。しかし、全身から怒りのオーラが見えている・・・・よぅな気がする。
「・・・うぅ、なんでもないですごめんなさい。・・・はい、ティア。」
気圧されるだけ気圧されて、運悪く水クオーツ持ちだったエステルがアーツを発動させた。
「まったく、少しはこっちの身にも・・・・」
光に包まれながらもヨシュアはぶつぶつと文句を言っている。よっぽどからかわれたのが気に食わなかったのだろう。
「・・・(しばらく突付かない方が良さそうね・・・)」
ヨシュアのお説教のような文句にがっくりと頷くしかなくなっているエステルを見ながら、シェラザードは要領よく二人から距離をとったのだった。



拍手からの再掲です。一月くらい置いてたので、読んだ人もいるかもしれませぬ。
日記でちょっと触れたネタをそのまま小話にしたら、丁度いいくらいの長さになったので、ずっと拍手に置きっぱなしでした。こうやって載せるにはちょっと短い・・・かな。
こういう、旅の合間の一コマって感じの話は、考えるのも書くのも好きです。ただし、すぱっと考え付いてもまとまらない事が多いのも事実なのですけど。精進精進。
二週目プレイ日記の第6回の一番下が、一応・・・元ネタな箇所です。これ実話なんですよ(笑)
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