「・・・・・・・」
ティータは上を見上げる。
「?なんだ?」
アガットはティータを見る。というより、見下ろす。
「アガットさん、背、高すぎです」
「お前が低いんだろ」
ティータは少しむっとして、背伸びをした。
つま先で立つが、あまり身長差は変わらない。
小刻みに震え、一生懸命。
「・・・」
アガットはそれを暫く見て、
「・・・くっ・・・くくっ・・・」
肩を震わせ、わずかに笑っている。
「なっ!?」
「必死・・・・すぎ・・・・」
笑いをこらえながら呟く。
「あ、アガットさん酷い!!これでも頑張って・・・・」
「ははっ・・・・悪かったな」
ティータは思わず踵を地面につけた。
―笑ってる・・・・
「(アガットさんが、笑ってる)」
こんな他愛のないことで。
「(・・・・・・なら、暫く身長伸びなくてもいいかな)」
アガットさんが笑ってくれるなら。
こんなに優しく笑ってくれる。
なら、暫くはこの身長差でいい。
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