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闇を彷徨う (ティータ)

上も土、下も土、右も左も土・・・そんな暗い道。
そこを、一定間隔で灯る導力灯が辺りをそれなりに照らし出している。
「急がなきゃ、急がなきゃ・・・」
そして、自分に言い聞かせるように呟きながら、少女が一人そこを駆けていく。

ここの暗がりは少し怖いとは思っても、嫌いではなかった。
彼女だって、たまには町の近くの方で探検してみたりすることがある。
しかし、それは魔獣避けをしてくれる導力灯があってこそ。

工房のデータベースで見たとき、川向こうの一つが、既に危ない状態だった。
早く取り替えてやらないと、ここを通る人たちが困ってしまう。
だから、腰の道具入れには、工具と導力灯の取替え用部品が詰まっていた。
もう一つ、肩からお守りのように抱えた導力砲は、お手製なのだが・・・。

・・・なるべくなら使わないで済みますように。

魔獣は怖い。もしかしたら攻撃されるかもしれない。
それでも、むやみやたらと攻撃してまわりたい訳ではなかった。

・・・出てきませんように。間に合いますように。

祈りながらぱたぱたと走る。川向こうの切れかけた導力灯の元へ。
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