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> ヨシュア君のぶれいさー手帳 〜Legend of Heroes VI〜 > ヨシュア君のぶれいさー手帳 5
ヨシュア君のぶれいさー手帳 5
△月○日
依頼名:サボり撲滅運動(4)
依頼者:教区長さんと父さん(むしろ自分)
難易度:?
期限:?
依頼内容:
エステルを逃げられずに日曜学校まで連れて行くこと
それは・・・またまたまた、日曜学校に向かう道すがら。
「あ。」
エステルがぱっと足をとめた。
「どうしたの?」
ヨシュアが振り向く。
「ちょっと忘れ物。先いってて?」
エステルは既に踵を返している。
「待って。僕も一緒に行くよ。」
「一人で行けるわよ、心配しなくたって。」
慌てて駆け出すエステルの肩を掴む。
「またサボる気?」
「何回も同じ手を使うほど私もバカじゃないわよ。」
心持ち、むっとした表情。
まぁ、確かに一度破られた技をまたかけるほどバカではないらしい。
が、ここで引いたら、また同じ手で逃げられてしまう。
「さ、一緒に戻ろうか。」
「・・・・わかったわ。」
今回は、前回の轍は踏まない。
エステルが上に上がった後、ヨシュアはまた玄関で待っていた。
ただし、周りの気配にかなり気を配りながら。
・・・行ったな。
そして、なるべく静かにテラスの方に回りこむ。
果たして・・・エステルは器用にも、そろそろと下に降りて来ているところだった。
そう、テラスの柱を伝って。
ちなみに、肩には防水のバッグ・・・・今日は水泳の予定らしい。
物陰からそれをうかがって・・・下に着地したところで声を掛ける。
「やぁ、エステル。」
「う・え、あ、・・・・!?」
声にならない声・・・というより、口をぱくぱくさせて・・・・どうやら、驚いているらしい。
まあ、当たり前だが。
「折角階段があるのに、それを使わないとは、なかなかもったいない事をするね?」
「・・・・・な。な、・・・なんでヨシュアがここに居るのよ!?」
やっと声になったらしい。
見るからにあせっているのが面白いと思ってしまうあたり、自分も人が悪いな、などと思ってみたりする。
「何で居るのって・・・ひどいなあ。僕がここにいたらおかしいかい?
むしろ、水泳用のバッグもって柱伝って降りて来てたエステルのほうが、よっぽど変だと思うんだけど?」
「・・・う、え、っと・・・・そ、そういう気分だったのよ!!」
言い訳にも何にもなっていない事は、当人が一番良くわかっているようだった。
「ふーん。またサボる気だったんだね。」
「・・・それは、その・・・」
『なんで、どーしてばれたのよー!』と、その表情は何よりも雄弁に語っていた。
「じゃ、教会に行こうか。教区長さんが待ってるよ。
そして、教区長さんのお説教も。
「うぅ・・・・・・・・。」
がっくりとうなだれて・・・観念したらしい。
エステルは、ヨシュアにひきずられるようにして教会に連れて行かれたのだった。
*運動神経のよさを最大限に生かした作戦だったけど、同じ手を喰らうほど僕もバカじゃない。
*でも、今日は暑かったから・・・教会より水泳の方が魅力的なのも、ちょっとだけわかるような気がした。
*だけど、サボりはよくないよ、エステル。
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