> ぎゅっとしてみた 〜空の軌跡・SO1・SO2〜 > ロニキスとイリアの場合(SO1)
ロニキスとイリアの場合(SO1)
「艦長ー!ほーら、杯が空ですよぉ!」
むぎゅっと。後ろからイリアがくっ付いてきた。
片手はロニキスの肩に。もう片方の手に持った酒瓶は、ロニキスのグラスに酒を注いでいる。
・・・完全に出来上がったか・・・
こうなると手をつけられない。ロニキスは一つ息をついて、注がれた酒を思い切り飲み干した。
「わぁあー!艦長カッコいいー!」
思い切り後ろから抱きしめられて、身動きが取れなくなる。
さらに酒が注がれるグラスを見て、後ろの酔っ払いを見て、またグラスを見て、ため息。
艦に居た時は。冷静で、有能な副官だった気がする。今だって、それはまあ有能な副官だが・・・ロークに降りてから、少しずつ彼女の別の面も見えてきたような気がしていた。アクセサリーにはしゃいだり、ミリーと一緒になって女の会話なるものに花を咲かせたり、ラティをからかって遊んだり、・・・色仕掛けを実践してみたり、ネコ格闘に精を出していたり。
・・・旅というものはそういうものなんだろうが。
イメージが少しずつ崩れてきたのは否定しない。それでも、それはロニキスの目にはさほど悪くは映っていなかった。
肩肘を張っていないほうが、本来の表情や人間性が見えてくるし、その分人としての魅力が浮き立つ。
「艦長ぉ?飲まないんですかぁ?」
耳元で囁くように言われて、思考が現実に戻ってきた。
「あ、ああ。頂くよ。」
グラスを持って、それに口をつける。イリアはそれをとろりとした瞳で見つめていた。
「どうしたんだ?」
「えへへー・・・」
また、きゅっと抱きつかれる。
「お酒飲んでる艦長も素敵ですー・・・」
「・・・そ、そうか・・・?」
「そうですよぉー・・・ふふふ。」
こてん、と頭と頭がぶつかる。
酔っ払いの言う事を真に受けてはいけないことくらい判る。
わかるのだが。
・・・イリアの奴、私のことを一体どういう風に思っているんだ・・・?
微妙な疑問がさすがに頭をよぎる一瞬だった。


翌日。例によって2人とも二日酔いに悩まされる羽目になったのは言うまでもない。
NiconicoPHP