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WEB拍手ログ
> ぎゅっとしてみた 〜空の軌跡・SO1・SO2〜 > エステルとヨシュアの場合(空の軌跡)
エステルとヨシュアの場合(空の軌跡)
「あ、ヨシュアっ!」
ぱたぱたっと勢いよく駆けて来る足音がして、ヨシュアはそちらを振り向いた。
振り向くと同時に、気持ちのいい衝撃。背中の方に回された腕が、少々きつい。
「エステル・・・どうしたの?」
反射的に受け止めて、とりあえず聞いてみる。と、エステルは、目をキラキラさせてこちらを見た。
「あのね、とーっても大事な話なんだけどっ!」
こんなに嬉しそうに言われる『大事な話』にろくなものはない。
「・・・・・・・・何?」
「今日の食事当番変わって!」
・・・ほらきた。
ちなみに本日の食事当番はエステルである。
「・・・・何かあったの?」
少しだけ体を離して聞いてみる。
「さっきね、古い釣り道具譲ってくれるって、リノンさんがね!」
興奮していて、エステルの言葉はかなり適当になってしまっている。
よくよく聞いてみればつまり、雑貨屋で売り物にならなくなった棚落ち品の釣り道具をバラして分けてくれる、ということらしい。・・・・で、閉店後に取りに行きたいし、説明も聞いてきたいから帰りが遅くなるから食事よろしく・・・とかなんとか。
「僕、昨日の夜は当番だったし、今朝も作った気がするんだけど?」
一応の抵抗を試みる。が、エステルは、手を合わせて拝み倒してきた。
「いつも感謝してますヨシュア様!そこをなんとかお願い!」
ため息をついて見せても、エステルはめげない。拒否するのは簡単だが、・・・なぜかそんな気にならなかった。少しだけもったいぶって見せてから・・・頷く。
「・・・・わかった。いいよ。」
「やったああ!」
エステルは心底嬉しそうな笑顔で、再び抱きついてきた。
「ヨシュアありがとう、大好きー!!」
「あーはいはい。」
全くもう調子いいんだから。そうぼやきつつも、なんとなく幸せなヨシュアだった。
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