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ヨシュアとエステルの場合。

ばったん。
女の子にあるまじき勢いで、エステルは草の上にひっくり返った。
「ヨシュアー、気持ちいいよー。」
「ん、そうみたいだね。」
呼ぶ声に応えて、隣に腰をおろす。足を伸ばして背を伸ばそうとして・・・後ろにひっくり返った。
「エステルッ!いきなり何するのさ!?」
別にヨシュアがうしろにひっくり返りたかったわけではない。エステルに肩の辺りをつかまれて引き倒された、が正しい。
「だって、私だけ転がっててもつまらないんだもん。」
至近距離でエステルは勝手なことを言ってむくれる。
「全く・・・頭とか打ったらどうするの。」
「・・・あ、ゴメンゴメン。」
でもほら、ヨシュアならそんなドジはしないでしょ?
一応謝りつつも、目はそんなことを言っている。言わなくてもわかる。
「君って人は・・・・」
はあーっと深くため息を・・・ついたところで、こんどは腹に衝撃が来た。ヨシュアの腹の上にエステルの頭が乗っている、とも言う。
「!・・・・・・・・・エステル、今度は何?起き上がれないんだけど。」
腹の上にむかって声を掛けてみると、早くもリラックスした返事が返ってきた。
「起き上がれなくていいわよ。しばらく枕になっててくれない?」
「な・・・」
非常に勝手である。
「だってこっちの方が楽でいいなあって・・・。」
「僕はそんなに楽じゃない気がするんだけど。」
抗議はさらりと・・・猫がゴロゴロ言うように受け流された。
「細かい事気にしないの。人の枕はいいまくら、て言うでしょ?」
「どこの言葉だよ・・・。」
呆れ半分で力を抜くと、腹の上も少し力が抜けたらしい。
「まあまあ。ふふ、ありがとね、ヨシュア。」
「はいはい、どういたしまして。」
空を仰いで目を閉じる。確かにここは気持ちが良かった。おなかの上の重さも幸せに感じるくらいには。

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