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アガットさんとティータの場合

こてん。
音はしないが、腕の辺りにそんな感触がした。
「・・・ん、寝たか。」
そちらを向けば、案の定隣に座っていたはずのティータがこちらにもたれ掛っていた。目を閉じて、気持ちよさそうに寝息を立てている。傾いて落ちかけている帽子をそっと取ってみると、金色の頭はずるりと前の方に落ちてきた。
「っと・・・」
起きるか?とこわごわそちらをを見れば、ティータは少し顔をしかめて・・・丸くなった。どうやら起きないらしい。とはいえ、これでひざの方に放っていた彼の腕は見事に下敷きになっている。そろそろと腕を外して・・・ほっと一息。ティータはアガットの脚の上で安定して寝こけている。
「ったく、俺は枕かっての。」
ため息を一つ。
とはいえ、今までの旅で疲れているであろう彼女を起こすのは忍びない。
だからまた・・・ふーっと息をつく。
ティータの帽子を空いた手に持つと、アガットは空を仰いで目を閉じたのだった。
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