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そっと目をそらしたいもの
> 未完や断片。 > ナーサと天使さんの話
ナーサと天使さんの話
Favorite Dearより。
天使はウィルさん。インフォス終わってアルカヤ前くらい。
死んだ天使が輪廻の輪に加わることはない、てのを聞いた時に思いついた話。
ナーサって大人だと思う。
「あなたが来てくれたのね・・・
久しぶり、全然変わってないのね。元気そうで何よりだわ。」
私は、こんなおばあさんになってしまったけれど・・・
そんな事を言いながら、彼女は笑った。
「・・・幸せ、だった?」
「ん・・・それなり、ね。
こんな波乱万丈の一生もいいものよ。最後は好きな事してゆっくり過ごせたし・・・」
「・・・そう。良かった。」
「それに、・・・ラスエルにもまた逢えるかもしれないし、ね。」
その、楽しそうな、何気ない一言に、心が、固まった。
天使の死は魂の消滅・・・輪廻の輪に加わる事は二度とない。
言うべきか、言わざるべきか・・・
言う必要はなかった。
「どうしたの?」
でも。嘘もつけなかった。ごまかしたくなかった。
大切な勇者だから。大好きな人だから。
「・・・・・・」
言おうとして・・・やっぱり思い直した。
・・・わざわざ悲しませる事はないんだ。こんな最期に。
少し笑って、大丈夫、と言おうとした。
でも、それだけでも彼女には判ってしまった。
「・・・・もう、逢えないのね?」
責めるような口調ではない。こちらを労わる様に、言葉がつむがれる。
泣いちゃ駄目だ、と思った。
気持ちよく、天界に連れて行かないと・・・悲しませてもどうしようもない。
それが、自分の使命。
でも、涙が出てきた。
そして、この人にはかなわない、と思った。
・・・ごめんなさい・・・
涙のまま、彼女の魂を抱きしめた。
せめて、少しでも悲しみを癒せるように。
でも、癒されていたのは、自分だったのかもしれない・・・そう、感じた。
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